Language：Japanese   Publisher：(株)医学書院  

＜文献概要＞患者は75歳の男性.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部大彎に30mm大の0-IIa+IIc型胃癌を認め,内視鏡的粘膜下層切除術を施行されたが,内視鏡的根治度C-2で追加切除の方針となった.術前CTで左胃静脈は門脈左枝に流入しており,左門脈と考えた.腹腔鏡下幽門側胃切除D1+郭清を施行,手術所見では左胃静脈は肝胃間膜内を走行し肝門部へ流入しており,術前同様に左門脈と判断し切離した.術後は一過性に肝機能異常をきたしたが徐々に軽快し,周術期合併症はなく術後10日目に退院した.左門脈は稀な破格ではあるが,注意すべき血管分岐である.今回,術前に左門脈を同定することで,術中にも躊躇せず切離でき安全に手術を施行できたので報告する.

Language：Japanese   Publisher：愛媛医学会  

患者は43歳の男性.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部大彎後壁に粘膜下腫瘍を指摘され経過観察されていたが,経時的に増大傾向を認め当科を受診した.病変は超音波内視鏡検査で第4層由来,内部が低～等の均一なエコー輝度の境界明瞭な20mm大の腫瘤であり,造影CTで内部に造影効果を伴っていた.患者希望で術前に生検は行わず,診断と治療を兼ねて腹腔鏡内視鏡合同手術を行った.病理所見では円形の腫瘍細胞が血管腔を囲みながら結節性に増殖しており,免疫染色でSMAが陽性,CD34,CD117が陰性であり胃glomus腫瘍と診断した.腹腔鏡内視鏡合同手術は低侵襲に腫瘍を切除が可能であり,診断的治療として有用であった.(著者抄録)

Publisher：Geochimica Et Cosmochimica Acta  

DOI： 10.1016/j.gca.2024.03.032

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Language：Japanese   Publisher：愛媛医学会  

目的:経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の普及につれ,合併症が広く知られることとなり,リスクマネージメントが普及してきている.一方で,社会全体の高年齢化により,ハイリスクのPEG紹介患者も増えている.今回,PEG症例の術前評価と短期予後について検討し,短期予後に影響を与える背景因子について考察を行ったので報告する.対象と方法:2020年1月から2022年11月までに当科にて施行されたPEG症例140例の年齢,性,PS,BMI,血液検査,併存疾患,PEG後合併症を集計し,術後死亡症例について生存症例と比較検討し,統計解析した.結果:年齢中央値84歳(男性75例,女性65例)で,90歳以上25例であった.合併症は28症例(20%)42イベントを認め,手技関連合併症としては,腹膜炎2例,術後出血16例,手技関連以外としては,1例小腸栄養開始後の非閉塞性腸管虚血(NOMI)症例を認め,また肺炎が16例(11.4%)と目立った.死亡例は10例(7.1%)に認めた.単変量解析では,男性,CRP高値,TLC低値,CALLY index低値で有意差が認められた.多変量解析では,CRP高値が独立した危険因子として挙げられた.CRP値とCALLY indexのカットオフ値を算出したところ,CRP0.880mg/dl,CALLY index 0.319となった.結論:CRPが高値を示す症例は,治療方針の再検討や,事前に栄養,感染管理を行うことが望ましい.CRPおよびCALLY indexはPEG術前リスク評価に有用な可能性がある.(著者抄録)

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